という方に向けて、大学進学か、就職かで迷った末に大学進学はせず、就職の道を選んだ私が大学進学について綴ってみます。
高校進学時、大学に行くことはまったく考えていなかった
私は高校進学時に志望校を決定する時点で、大学まで行くことは全く考えていませんでした。
昔に比べて、最近は小学校から受験する子供が増えているとはいえ、多くの人は小、中学校は地元の公立校に通い、高校進学を機に初めて、自分の進路(志望校)を考えることになると思います。
この時点で将来の夢や具体的な目標、もっと言うと、自分がどういう働き方(ひいては生き方)をしたいかという事まで定まっている人は少ないでしょう。
そうした中で、人生における最初の大きな選択となる「自分が行く高校を決める」という選択は非常に難しい。
私の場合は、高校進学時に志望校の決め手となった考え方は、「就職が出来る高校に入る」こと。
当時、大学に行ってまで勉強をしようという考えは無かったし、(これは大きな間違いで人生が続く限り勉強は必要だと痛感しています…)高校を卒業したら、どこかの会社に就職して働くのが当たり前の事だと思っていました。
大学進学は自分の中でどこか遠い存在だった
当時、意識はしていませんでしたが、その考えには、家族の影響も大きかったのだと思います。私の両親は父母ともに高卒であり、父は地元の高校を卒業後、すぐに地元の会社で働いていました。
また、兄も同じ高校に進み、県外企業に就職。
こうした環境もあって、自分が同じ道を選択するのは自然な事のように思えました。
両親としても、自分達が行っていない大学を私に勧めることはありませんでした。
また、当時の自分には、将来の夢、目標や展望もなく、大学進学の必要性を強く感じなかったことから、父や兄と同じ工業高校を進学先として選びました。
この選択が間違っていたとは思いませんが、結果として、知らず知らずのうちに自分の人生の選択肢を狭めてしまったのは事実であったように思います。
結局は高校卒業後の進路を決める時期になっても、私には明確な目標や、やりたい仕事はありませんでした。
中学生の時には、高校を卒業したら働くのが当たり前だと思っていた私が、この頃になると、高校卒業後、すぐに働くという現実から逃避したいとさえ、考えていたのです。
「とりあえず大学に行く」もアリ
働きたくないから進学するという選択で大学に行くことは勿論、良い事ではないでしょう。
しかし一方で、高卒で働き始める人の大半はやりたい仕事も、実現したい生き方もわかっていない中で、「高校を卒業したんだから、とりあえず就職して働くのが当たり前」という考えで社会に出て、働き始める人が多いと思うんですよね。
そういう人たち(私も含めて)は、実際に働き始めてからも仕事に対する明確な目標や、自分なりの理想の生き方を見つける事が出来ずに、流されるままに働いていて、時だけが過ぎているということも多いと思うのです。
もちろん、大学に行かなくても立派に働いている人はたくさんいるし、自分の目標とする生き方を早くから見つけて、その生き方を実現するにあたって、大学進学が必要無ければ、無理に行く必要は無いし、むしろ行かなくて良いです。
ここで言いたいのは、高校進学時や、それ以降にも自分の目標や理想とする生き方、働き方が定まっていない人は、「とりあえず」大学に行って、その時間で自分が少しでも興味を持ったことを学びながら、その後の人生でやりたいこと、仕事を探すのもアリなのではないかということです。
そもそも高校を卒業して、就職し、そのまま定年まで働いたとすると、18歳から60歳まで(今や60歳定年で引退出来る人は少ないですが)42年間も働かなければいけないわけです。
この間、普通の会社員であれば、纏まった長期の休みはほとんど無く、自由な時間も十分に取れない環境の中で、別にやりたいわけでもない仕事を続けなければいけません。
私も既に10数年程働いていますが、これは結構きつい。
また、大学の4年間って、小・中・高と比べると圧倒的に拘束が少なく、比較的自由な時間が取りやすい環境にある、貴重な期間だと思うんです。それを自分から放棄してしまうのは、あまりにもったいない気がします。
急いで社会に出る必要は無い
大学の4年間よりも、その後の就業人生の方が圧倒的に長いわけですから、比較的自由な「学生でいられる」貴重な時間を自分から放棄して、急いで社会に出る必要は無いです。
また、いくら学歴なんて関係無い!と叫んでみても、特に大手企業の就職時の応募要件としては、「大学卒以上」とされているものが圧倒的に多いのが現実です。
大学に行って、勉強して、バイトして、遊んで、学生でいられる「今しか出来ないこと」にたっぷりと時間を割いて、思いっきり楽しんでほしいです。
奨学金は安易に借りないで!
とはいえ、学費、その他進学にかかる費用に親の援助等が無く、奨学金が必要という人は安易に奨学金を借りるのではなく、進学の必要性を慎重に考えてほしいです。
奨学金を借りるのは、ある程度仕方がないという風潮があるように思いますが、奨学金も立派な借金であることに変わりありません。
進学して自分の能力を高め、将来稼ぐ力を高める為の投資と見る事も出来ますが、借りたお金は必ず自分で返さなければいけません。
普通に就職して働き、給与を得る事で返済出来ると思っていても、今回のコロナ禍のように、いつどんな時に不測の事態に見舞われて、収入が途絶えてしまうかわかりません。
まだ働いてもいない進学前の段階で、返す事が出来るかわからない多額の借金を背負うのは、社会人になる際に、スタート地点遥か手前のマイナス地点からスタートするようなものです。
純粋に学びの為に大学進学したいというのであれば、働きながら通える夜間大学や、通信制の大学もありますので、安易に奨学金(借金)に流れるのではなく、広い選択肢を持ってほしいです。
まとめ
一言でまとめると、少しでも大学に行ってみたい気持ちがあって、借金無しで行ける人は行ってみよう!となります。お金の話をすると身も蓋もありませんが、「行ってみたいなー」位の気持ちで借金まですると、将来後悔すると思います。
とはいえ、行ける環境にある人が行かなかった時は、将来「行っとけば良かったなー」と後悔するかもしれません。人は【やった後悔】より【やらなかった後悔】が深く心に残ると言いますので、やらなかった後悔はなるべく減らしていきたいですよね。