就職、転職で仕事選びをする時に「好きな仕事」をしていきたいと考えることは、
ごく自然なことだと思います。
私も出来れば「好きな仕事」で、日々やりがいを感じながら生きていけたら、どんなに良いだろうか、とは思います。
でも「好きな仕事」って、考えてみても思い浮かばないんですよね。
私は、そもそも働かなくても生きていけるのであれば、働きたくない人間ですし(笑)
とはいえ、生きていく為には仕事をしなければいけない。
そこで考えた、自分の中での仕事選びについて綴ってみたいと思います。
「好きな仕事」なんてわからないし、就けるかもわからない
「好きな仕事をして生きていこう」という言葉が自己啓発本やTV、ネット等のメディアで標榜されているのを誰しも一度は目にしたことがあると思います。
でも、好きな仕事なんて、大半の人はわからずに働いていますよね。
そもそも「私は○○をして、世の為、人の為に働き、社会に貢献するんだ!」という崇高な志の下に働く人以外が働く理由は、お金を稼いで、自分の生活を維持していく為に他なりません。
詰まるところ、大半の人が仕事をする理由は、子供から大人になり、自分で生計を立てる必要に迫られるからです。社会のしくみとしても18歳、22歳から仕事をすることが当たり前となっています。
ですが、高校、大学卒業時に自分のしたい仕事がわかっている人がどれ位いるのか。わかっていたとして、いったいどれ位の人が希望通りの仕事に就けるのか。
特に高校卒業後に就職する場合、企業からそれぞれの学校に対して求人票が出され、学生はその求人票の中から、希望する会社の試験を受けて、合格後、入社という流れになります。
これって、そもそも大学生の就職活動とは違い、高校生には仕事、会社を広く自分で選ぶ権利すらないですよね。高校を経由する以外の道もあるのかもしれないですが…。
また、高卒では就ける仕事の種類も限定されます。大学を卒業しても、希望通りの会社、職に就けるのは一部の優秀な人に限られるのではないでしょうか。
好きな仕事がわからない、あるいは、好きな仕事が有っても好きな仕事に就けなかった。
こうなった時に、「見つかるかわからない好きな仕事を探し続ける」「好きな仕事に就けるまで、報われるかわからない努力を続ける」という選択をする事は、自分のなかで”気の迷い”を伴うものになり、結果として、それが最後まで見つからない、最後まで報われない結果となった時には受け入れ難い苦痛となるのではないでしょうか。
「好き」ではなくても「苦ではない仕事」を選ぶ
仕事に対して自分の生きがいや、存在意義みたいなものを求めている人にとっては、「好きな仕事」で生きていく事は、自分が生きている意味そのもので、それが実現出来ないと、自分の人生が否定されているかのように感じるのかもしれません。
ですが、「好きな仕事が見つからない」という人は、そもそも自分の中で、人生における仕事の比重が小さく、仕事に対して、生きていく為の手段という以外に大きな意味を見出そうとはしていないのではないでしょうか。
であれば、ありもしない「好きな仕事」を探すより、仕事は生きていく為の手段と割り切り、生きがいや自分の存在意義等は別のものに求めた方が幸せな人生に出来ると思います。
そこで、仕事選びに大事な視点は「苦ではない仕事」を選ぶということ。
ストレス、怒り、苦痛等は人生の幸福度を著しく低下させます。
あくまでも生きていく為の手段に過ぎない仕事で、人生の幸福度を下げてしまうのは、あまりにももったいない気がします。
私自身、普段はデスクワークですので、基本的には一人で仕事をしていて、ある程度自分のペースで仕事が出来ています。そんな中で一時期、現場仕事に出加勢することになったのですが、そこでは基本的に2人1組で仕事をしなければならず、常に誰かのペースに合わせなければいけませんでした。
それが自分にとっては苦痛で、その時に自分は一人仕事が「苦ではない仕事」の条件の一つであるとわかりました。もちろん、今の仕事でも苦はありますが(笑)
「好きな仕事」がわからない人でも「苦ではない仕事」は、なんとなくわかると思います。
現実的に「苦」をゼロにすることは難しいと思いますが、自分にとっての「苦」がひとつでも少ない仕事を選ぶことで、仕事を通して生きがいを感じたりすることは無いけど、ストレス、怒り、苦痛等の負の感情を最低限に抑える事が出来る、そういう意味で、自分に合った仕事を見つけていければ良いのではないでしょうか。