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単身赴任は誰も幸せにならない。後悔の無い決断を!

多くの会社員にとって、会社からの転勤辞令を断ることは難しく、転勤による単身赴任はいつ訪れてもおかしくない出来事です。ですが、単身赴任は当事者本人にとって、あまりにも負の側面が大きく、その家族含めて誰も幸せにならない制度だと考えています。今回は約半年間(短い…)の単身赴任生活を経験した私がメリット、デメリット、それらを踏まえての単身赴任に対する考えを記していきたいと思います。

単身赴任のメリット

単身赴任は家族と離れて、ひとり暮らしをしながら、慣れない土地で働くわけですから、あまり良い事は無さそうですが、考え方によっては、メリットもあります。

未知の土地での生活を体験出来る

単身赴任では、慣れ親しんだ土地を離れ、新しい土地での生活が始まります。人生を変えるには、

・「時間配分」を変える
・「住む場所」を変える
・「つきあう人」を変える

と言われているように、住む場所を変えることは人生を変える為の行動の1つです。

望む、望まないとに関わらず、それまでとは、住む場所が変わるわけですから、人生を変える行動の一つを起こしていることになります。住む場所が変わると、生活が一変します。

私は、地方から都市部への赴任だったので、移動手段が車から公共交通機関に変わり、地方には無い、都市部の便利な生活を体験出来ました。車なんて無くても、自転車と電車の乗り継ぎで、どこでも行けるのではないかと感じました。一方で、人の多さ、駅の迷宮具合(笑)には最後まで慣れることはなく、やはり地元は良いなと再認識するきっかけとなりました。

 自分の時間が多く取れる

家族と一緒に暮らしていると、どうしても家族と共に過ごす時間が多くなり、自分ひとりだけで過ごす時間は取りにくくなります。家族とワイワイしながら過ごすのは、もちろん楽しくて好きなのですが、私は基本ひとり大好き人間ですので、ひとりの時間が欲しいなと思う時もあります。

そんな人にとっては、単身赴任によって過ごすひとり時間は有意義なものになり、久方ぶりのひとり暮らしを大いに楽しむことが出来るのではないでしょうか。普段は家に帰ると家族がいるので、ひとり物思いに更けるということは難しいですが、単身赴任では、もう嫌と言うほど物思いに更けることが出来ます。(笑)

単身赴任のデメリット

「メリットは、それだけかい!」とのツッコミが飛んできそうですが、単身赴任ではデメリットのインパクトの方が遥かに大きいです。(あくまで私個人の見解ですが)以下、見ていきます。

 家族との時間がなくなる

何と言ってもこれですよね。これが全てと言っても過言ではないです。
皆さんは、何の為に働いていますか?

・出世の為
・仕事を通じて自分を高める為
・社会に貢献する為


このように会社で働くことに対して、お金以外の意味を自分なりに見出している人にとっては、転勤で単身赴任になろうとも、働くモチベーションを維持する事は可能かもしれません。ですが、そうではない、「働く=お金を得る為の行為」と割り切って働いている人にとっては、悲惨な状況になります。

家族と幸せに生きていく為にはお金が必要
         ↓
   お金を得る為に会社で働く
         ↓
単身赴任になり家族と離れて暮らす
         ↓
配偶者に負担をかけ、自分は苦痛に耐える生活
         ↓
     誰も幸せにならない 

もはや、何の為に働いてるの?って話です。働く目的は、家族と幸せに暮らす為のはずなのに、家族と離れて暮らすことを強制されるので、その目的を達成出来ません。

本人が単身赴任の孤独に耐えて働き、給与を得る事が出来れば、離れて暮らす家族の生活は維持出来るでしょう。でも、それで家族は幸せか?何より自分が幸せか?単身赴任を伴う転勤は誰得か?と考えると、会社の得でしかありません。

私自身、子供が生まれてから、間を置かずに単身赴任となった為、誕生後、生後6ヵ月という二度とやってこない貴重な期間を子供と離れて過ごすことになり、やるせない気持ちでいっぱいでしたが、まだ半年という短期間で、期限を明示されていたので、なんとか耐えることが出来ました。

自分と家族の二重生活で家計の支出が増える

家族と自分で生活の拠点が2箇所になることで、確実に支出が増えます。家賃、食費、光熱費、帰省の交通費等々。

会社からの支給もあるでしょうが、足りない分は自己負担になります。特に帰省の交通費は、会社からの支給もあるでしょうが、月1回分等に定められていると思います。それ以上の頻度で帰ろうとすると、その分は自己負担です。

また税制面の話をすると、帰省の交通費を会社から支給された場合、この費用は課税所得となり、所得税を徴収されます。小さな話に思えるかもしれませんが、飛行機や新幹線で帰省する場合、数万円単位のお金がかかりますよね。

仮に帰省に5万円かかるとして、所得税率20%とすると、5万円×20%で、1万円の所得税を余計に徴収されることになります。会社から5万円支給されたとしても、それは帰省に使う費用ですから、実質的には収入ではありません 。ですが、その5万円にはしっかりと課税され、1万円余計に税金を払うことになります。

これは意外とデカイです。節税の為に、ふるさと納税、iDeCo、つみたてNISA等の制度をフル活用していても、これひとつで、これらの努力も水泡に帰すことになります。

まとめ

単身赴任にはメリット、デメリット両面ありますが、両者を天秤に掛けた場合にデメリットのインパクトの方が大きすぎて、全く釣り合いが取れません。ですので、「転勤の辞令にはNOを!」と声高らかに叫びたいところですが、会社員である限り、転勤の辞令を拒否することが難しいのもまた事実です。

コロナ禍の現代においては、会社の事業縮小や店舗、支店の統廃合等により、これまでの自分の仕事自体が無くなり、リストラされるといったケースも急増しており、転勤で済めばまだ良い方というのが現実かなと思います。

実際、私が勤める会社でも支店の廃止により、そこに在籍していた人の大多数は会社からの転勤辞令に応じて、家族と遠く離れた地で単身赴任生活を送っています。

家計の維持と引き換えに望まない単身赴任生活を受け入れるか、今しかない家族との時間を大切に考えて、退職、転職・独立に向けて新たな道へ踏み出すか、後悔の無い決断をしたいものです。いずれにしても、いつその時が来ても慌てないで済むように下記の備えをしっかりしておくことが肝要かなと思います。

・支出の削減(最適化)
・最低限の生活防衛資金の確保
・複数の収入源の確立(副業、配当金等)

ご拝読ありがとうございました!